茶杓をつくる9 最後に
本書は茶杓の作り方に関し、順を追ってエッセイを書いたものである。
なのでかならずしもノウハウが入っているとは限らない。
削り方や櫂先や切り止めの形を説明してくれているが、そんなに興味深くもないのでばっさりオミット。
だが:
それと、樋が深いために、曲げ軸となっているところが幅が最も広くなりがちだが、そうならないように曲げるためには、曲げる前の竹をたいへん幅広く取り、そのため曲げに力を要する。
樋の深い竹は曲げると曲げたところで樋がひろがってしまう。
これを避けるために両脇の竹を大きく残し、幅の広い竹として曲げる。
竹は円弧を描いているので、幅を広くすると弧が大きくなり、構造強度が出てしまうので曲げるのがどんどん難しくなる。
…こういうノウハウを読み取りながら読み進めるのは楽しいので、茶杓作りした事のある人は読んでみるといいと思う。