茶ァ喰らい爺 負の民俗学3 オチャト

本書には近畿地方の盆の風習、オチャトについて記述がある。

(事例3) 河内長野史 第九巻 別編一 昭和五十八 河内長野市役所

盆の供え物の中で忘れることのできないものの一つにオチャト(茶湯)がある。
どこでもオチャトの数は大体決まっていたようであるが、とにかくできるだけ多く供えなければならなかったのである。
盆の間中、カンス(鑵子)にシュンシュンお湯を沸かしておいて、絶えずオチャトをしなければならないといわれていたのである。
(中略)
オチャトで供えたお茶は、どこでも捨てずにガキボトケに供えるものといって、四ツ辻や雨だれなどに流すところが多く、雨だれのかわかぬほどオチャトをしなければならないといわれたところもある。

つまり、盆の間頻繁にお茶を仏様に供え、さらに次にお供えする為にお茶を捨てる際は、施餓鬼として決まった場所に捨てる、というのである。

うちの近辺の風習ではないと思うけど。


この風習が、常に釜に火を絶やさない常釜の美意識につながり、更に、えふご建水の形状がなんとなく仏具に似ているのに影響を与えた…なんて話があればおもしろいのだけど、まぁ立証どころか実際問題立論も無理ですね。