茶ァ喰らい爺 負の民俗学2 ヒサカキとお茶

町の花屋さんで、祓いのときに用いる長めの榊葉を求めようとしたことがあった。ところが、「あいにくと榊は切らしているうから、これにしなはれ、今はみな、このビシャコを使ってます」ということであり、手に入れたのは、ヒサカキであった。

ということで、椿科のヒサカキがどうして榊の代用になっているのか、関西でビシャコ/ビシャグと呼ばれているのかについての話。

ま、それはお茶的にはどうでもEので、ヒサカキが古い広辞苑で「野茶」と呼ばれていた理由について。

「これはな、山で仕事をしている人らが、お茶を飲んだり、昼飯食べるときに、ビシャコの枝葉を切ってきて、それを火であぶるんや。はてから、それをお茶のようにしてな、お湯の中に入れて飲んだもんや、昔はな。」

これ堺の話である。


野草?としての茶。野茶。

カメリアシネンシスを中国から招来する前に、おそらくヒサカキの緑茶文化があったのではないか?と著者は言う。

関西の山には野茶の文化がたった、というのを知ると、和泉〜南都に掛けて喫茶が流行する下地が有った、と思えて面白いじゃないか。