普齋書入便蒙鈔7 第十二 客をむかひに出る事

茶道便蒙鈔の記述:

(略)
一 又客により。召つかひの者を中くゝりへ出し請しいれ。我ハ座敷のくゞりまで出。それにて御入あれとの挨拶あるへき事也

迎え付けで、召使いを使う場合の処理に付いて。

…そういえば「半東」という用語は出てきてないね。
この用語の初出はいつごろだろうか?


普齋の朱書:

是ラトカウ申カタシ茶仁ノ貧キ輩ナトヘハ一向無用
茶湯ハ茶湯ノ上ノ道タルヘシ
金銀澤山ニ持タルトテ慮外ハウルサシ
侘トテモ人ノユルス人ハ外ニアルヘシ

こういう事は貧乏な茶人は一切しない。
茶の湯茶の湯という世界であって世俗とは独立した話。
大金持ちだからって考えなしだとうっとおしい。

…最後の一文の意味が難しいな。「貧乏でも人に知られた人ならば他の方法もあるだろう」ぐらいに解釈しておくか。つまりやり方を工夫しろ、ということで。


利休達は常釜を推奨し、茶の湯に全てを捧げ、世俗を茶の湯で塗りつぶそうとしていた。

普齋は茶の湯の道と世俗を区別しようとしていた。

処世としては普齋の方が常識的だが、利休の方が魅力的ではある。