普齋書入便蒙鈔17 第一風爐主方
そして風炉編。
茶道便蒙鈔の記述:
一 灰の仕樣又多少ハ爐の内と同意也
心得前土器は暑き時火を見せまじきが為なれば世間あつきなど高く立る也
酷熱の時分に二枝かさねて立るなり
年若きものは此土器を上を下へしてろくなる方を見せて立させたる事もあり
灰のし方、分量は炉と同じ。
前土器は暑い時火を見せないためなんだから暑い時期には高く立てるんだ。
すっごく暑いときは二枚重ねてね。
若い人は土器の上下をひっくりかえして真直な方を見せることもあるよ。
普齋の朱書:
あらまし聞へ申候
年若きものと有ハ合點 不參候
だてなる事といふにや
だいたいは聞いた(通りの)話です。
でも若い人向けのやり方は納得いかねーなー。
恰好付けって事かい?
…。
さて。
炉編の「第五 爐中灰之事」には以下のようにある。
一 口切の時。いまだ世間暖かなれハ。灰多ク入。隅も大きにてよし。炭をすくなく置ゆへ也。
灰のしやう隅の寸法さたまらず。
大小も高下も。厚薄もさだまらざるやうにして。
堅く見えぬやうに心得へし。
(中略)
一 灰。冬中は。あられにふくさ灰を入用ゆ。春ハふくさ灰をふるひぬき。あられ斗を用てよし。
又あられ持ざる人は。いつもふくさ灰バかりにてするを殊勝なりと。先祖も感しられしなり。
前半は、当然だが炉の灰が掻き上げでしかない事を意味している。
後半は暖かいシーズンにはあられ灰を使うことを意味している。
これがそのまま風炉に転用されるとすれば、やはり今のような精密な灰形は作られていなかったことを意味するのではないだろうか。
あと前土器の上下ひっくりかえすのは私も納得がいきません。
若いからロケンローってことなのかい?