茶商の読んだ茶経評釋4 茶と人参との比較

ううむ、あまりにあんまりなツマミ方をしすぎたので、ちょっとはまじめな所を。

「第六節 人参と茶との比較
茶の累をなすや猶は人参の如し
(略)

この章はお茶と人参の薬効の比較でなく、(当時の人参がそうであったように)低級品を混ぜちゃいけないよ、という内容。

ちょうど良い季節に採らず、つまり摘採適期に採らなかったり、製法がいい加減であったり、また他の木の葉や雑草など混ぜ物をしたお茶は、本当の純粋なお茶にまで影響を及ぼし、お茶の信用と評判を落してしまう。
と不良茶業者による詐欺的行為を戒めております。
静岡県製茶指導取締条例が厳として在りながら「本物づくり運動」を推進しなければならぬ矛盾を、改めて苦く感じます。

茶業の人が言うんだから、静岡茶の世界でもインチキはある(あった)ということか。

まぁ茶業はルール自体がインチキな部分あるしな…。

他の業種で「50%以上入っていればそこを産地として表示できる」なんて聞いた事ない。

「魚沼産」と書いてあるが50%しか魚沼産が含まれないコシヒカリとか、「宍道湖産」と書いてあるが4割千葉産が混ぜてあるシジミとか、もしもあったらめちゃめちゃ叩かれると思うが、どういうわけかお茶はそれでいいことになっている。

明治の茶業界に於いて、輸出品の第一等であったお茶が、売れることを幸いに、柳の葉のような不良品を混ぜて貿易の信用を一挙に失墜した記録は永遠に抹消出来ません。

ううむ、調べると、ひどい。
柳の葉とか粗悪品を売りつけて明治16年アメリカから排除されてたのか。

いまだに日本のお茶に海外向け商品のイメージがないのは、この失墜から立ち直れなかったということなんだろうと思うと、まじめな商売は本当に大切だと思うね。