利休道歌に学ぶ6 掛け物

掛け物の、なぜか啄木限定で二首。

墨跡を掛ける時にはたくぼくを末座の方へおおかたは引け
(略)
掛物を掛ける場合は、啄木の巻緒を下座へ引きなさいと、そういうことを教えています。

絵の物を掛ける時にはたくぼくを印ある方へ引きおくもよし
(略)
書いた人の印が上座のほうにあったら、巻緒を上座のほうへ引いても結構ですよということです。
先ほどの墨跡などと違って、絵の物のときには反対に引くこともあるということを教えているわけですが、この道歌にあまりこだわらなくて、巻緒は下座へ引くというルールに合わせたほうが迷いがなくてよろしいと思います。
(略)

「おおかたは」「引きおくもよし」とアバウトな句に対し、「この道歌にあまりこだわらなくてよろしい」と更にアバウトに。

  1. 巻緒は、巻くための必要悪であって、鑑賞物としては邪魔なもの。なのではばかって下座に移動する。
  2. でも、墨跡によってはなにかの理由で巻緒を上座側に移動する必要があるかもしれない。
  3. 絵の、落款や所蔵印も、鑑賞物としては邪魔なもの。なので下座じゃなくて印側へ巻緒を持っていってもよい


と解説した上で「いまどきは絵はあんまり掛けないので、下座で覚えておいて大丈夫だと思います」なら、道歌を尊重した上での無視だと思うのだが、「ルールですから」では道歌を解説してる意味なくね?


ま、巻緒の位置なんて意地悪な客以外は見ないんだから、どーでもいーと思いますけどね。