利休道歌に学ぶ7 釜

  1. 冬の釜囲炉裡縁より六七分高くすへるぞ習ひなりける
  2. 絵掛物ひだり右向きむかふむき使ふも床の勝手にぞよる
  3. 姥口は囲炉裡縁より六七分低くすへるぞ習ひなりける
  4. 品々の釜によりての名は多し釜の総名鑵子とぞいふ

釜の事三首の間に、掛け物の続きが混じってます。
この辺から順番に関する意識レベルが下がってます。

釜だけ抽出するとこんな感じ。

  1. 釜を据える時は、炉縁で柄杓が持てる様に釜をちょこっと上げようね
  2. 姥口釜は、逆にちょこっと下げようね
  3. 釜はいろいろ名前がついてるけど鑵子ってのがほんとの名前だからね

…割とどうでもいいですね。

絵の話の解説はこんな感じ。

この道歌は、左向きの絵の場合は、流れて行く絵の方向の反対、即ち右側が勝手付になるような構造の床に掛けなさい。
また右向きの場合は、逆の構造の床に掛けなさいという教えになっています。

利休百首をもし本当に利休が書いたのだとすれば、
「絵掛物ひだり右向きむかふむき使はば床も勝手をば変え」
とでも書くと思います。

床の構造で絵を掛けられなくなるくらいなら床を改造しなさい、というのが利休さんだと思うので。