利休道歌に学ぶ8 置き合わせ
置き合わせ系四首。
置き合せ心をつけて見るぞかし袋は縫目畳目に置け
置き合わせをやるために難しいのは位置の決定ということです。
(略)
この場合の縫い目とはいわゆる仕覆のかがりのことだと思います。
結局、袋、すなわち仕覆は縫い目を畳の目にちゃんと合わせて置けということです。
(略)
業躰が「かがり」と言っているのがなに良くわかりませんな。拝見の時に「緒のつがり糸」を畳の目と平行にしなさい、と言っているのでしょうか。それとも仕覆には正面と背面、底のぐるりに縫い目がありますが、これをかがりというのでしょうか?
「置き合わせ」であって「拝見」ではないので、点前座の話に思います。
しかし、仕覆の正面の縫目を畳目に合わそうにも、普通点前畳は横方向に畳目が走るので、合わせようがない気がします。
本句はよくわかりません。
はこびたて水指おくは横畳二つ割にてまんなかに置け
(略)
これは異論無いです。
茶入又茶筅のかねをもよくも知れあとに残せる道具目当てに
(略)
かねというのは結局置く位置のことです。曲尺割といいますように、この場合のかねは曲尺です。
結局、この道歌も位置をきちっと決めなさいということです。
(略)
言っていること自体には異論はないのですが、「曲尺割といいますように」はひっかかります。
この句って南坊録の曲尺割と対立した句なのです。
なぜかというと、ここでは「他の道具との相対位置で覚えなさい」と言っている訳で、南坊録の曲尺割でいう、畳を分割したグリッド上の絶対座標で覚えなさい、とは言っていないからです。
何にても置き付けかへる手離れは恋しき人にわかるると知れ
(略)
これは以前出た「取る手は軽く置く手重かれ」と同じ内容ですね。
異論ないです。