利休道歌に学ぶ25 花入と薄板
花入関係四首。
うす板は床框より十七目また十八十九目におけ
あいまいな感じですが、大体曲尺で八寸(約二十四センチ)ぐらいに花入の薄板を置くということです。
実際には床の奥行きや花入れの大小にもよっても違ってきますから、そのときの花がよく見えるようにという趣旨で、あいまいな表現になったのかと思います。
(略)
曖昧なのは仕方ないと思いますが、実用性がほとんどない気がします。
ところで、薄板にも形の違いや大きさの違いがありますから、それも考慮に入れたほうがいいのでは?
うす板は床の大小また花や花生によりかはるしなしな
(略)
これはほぼ意味がない句ですね…。
花入の折釘うつは地敷居より三尺三寸五分余もあり
(略)
これは実用的な句。
語呂はいまいちですが。
花入に大小あらば見合せよかねをはずして打つがかねなり
この道歌も花入の釘のことを言っていますが、花入の大小、床の高低大小によって打つ位置が変わるということです。
(略)
これはどうだろう?
「かねを外す」は南坊録用語で「規定の位置からわざとずらす」なので、業躰の言い方「適切な位置に変える」とは微妙な違いがあるように思います。
ここでの「かねをはずして」が南坊録的な意味かはわかりませんけどね。