利休道歌に学ぶ28 釣舟と壺

床のかざり二首。

釣舟はくさりの長さ床により出船入船浮舟としれ
(略)
高く据えると、お客さまが坐って拝見しますから、釣舟の底だけみることになります。
(略)

床によって鎖の長さが違う、というのはわかるんですけど、だったら対になる句で釣釜の鎖の長さに言及があるかというと…ないみたいですね。

壺などを床にかざらん心あらば花より上にかざりおくべし
(略)
口切や壺荘付花月のとき、壺は花入の上座に置けということです。
(略)

利休百首が利休時代の句でない傍証。
室町〜江戸初期の茶壺の全盛期であれば、「壺などを」なんて寝ぼけた事は書かないはずなのだ。だってメインの飾りじゃん。