利休百首談義2 乾きたる

百首扇
乾きたる茶巾使はば湯をすこしこほし残してあしらふぞよき
宗鳳本
しめさざる茶巾さばきは湯をすこし翻し残してあしらふぞよき

解 "しめさざる茶巾さばき"も"乾きたる茶巾"を使う事は余り聞かない。
又我々の流儀でも行わぬ様で現代では不要の教歌である。
但し利休時代には"しめさざる茶巾さばき"が必要な理由があったのであろう。
今も侘びの茶碗飾りには、新しい茶巾を荒って糊気を落したものを乾かして
四つ折りにして茶碗の中に敷き、茶入を乗せる事になっている。
こうした茶碗飾りの時の後席は茶筌飾りにするのが習いである。
しめさざる茶巾さばきの必要は、茶巾を茶碗の中へ敷いた時の扱いであろう。

乾いた茶巾を使ったお点前があったか、というと真偽はわからない。
洗い茶巾の、更にドライな奴だろうか?

でも「現代では不要の教歌」とまで言い切られるとすがすがしい。

茶は利休で完成されていて/千家が保存して現代にそのまま伝わっている、みたいな無理な前提がないってことだもんね。