江岑宗佐茶書2 逢源斎書 墨蹟

逢源斎書に見る墨蹟の掛け方について。

逢源斎書:

墨跡朝ノハ前之日ヨリ掛、昼ノは朝掛申候、
当座ニかけ申事あしく候、
事之外きんミニ候、
其故墨跡は会前也、
織部は自然、会之後ニ掛被申候

墨跡は(ピンとしてないといけないので)あらかじめ掛けておけ。
でも織部は自ら「会の後に掛ければ?」と言われた。

…会が終わってから掛けても仕方ない。客が来てから…ぐらいの意味だろうか?


比較で出ている江岑夏書(本書)。

織部は自然、■■■(置候)、在之候

織部の部分は判別できていない。


あれ?と思ってこの部分茶道古典全集も見てみた。

江岑夏書(茶道古典全集)

織部は自然、會前墨跡かけ被置候、

織部は自分で会前に墨跡を掛けておかれました。


…全然違うじゃねーか。

江岑夏書に関し、本書の翻刻久田宗也。茶道古典全集は千宗左
この二人で底本が違うんだろうか?

茶道古典全集版の底本は千家伝来直筆。
逢源斎書も直筆らしい。

同じ人の書いた同じ話でこうも違うと言うのは不思議である。

でも、逢源斎書のが一番ありそう。
だって織部ディスるのが江岑のスタンスだもの。