江岑宗佐茶書14 江岑聞書 台子の風炉

一、当代之台子ノ風炉、釜取合、誤也、
其故ハ台子の内のり寸尺をかんかへて風炉釜を取合せされバ一円茶もたてにくし、
又火あい悪敷候、
台子の天井そり、うるし色もかわり、板ひゝきわるき物也、
風炉、釜ノ取合ヲかんかへて水指吟味セされハ、柄杓立、或ハ水こほし、或ハ蓋置取合にくし、手前もあしく候

いまどきの台子の風炉と釜の取り合わせは間違っている。
その理由は、台子の大きさを考えて風炉釜を取り合わせていないからお茶が点てにくい。
火あいも悪い。
台子の天井は反り、漆の色も変わり、板も乾いてしまう。
風炉釜の取り合わせを考えて水指を選ばないから、柄杓立や建水、蓋置も置きにくいし、点前も下手になる。

…かな。

正しい取り合わせを書いてくれてないので推測するしかない。
台子の天板に熱が当たってしまうのだから、切合風炉でない、ということだろうか?

なお、別の所では

一、台子釜、式賞ノ釜ハ一ニ真ノ釜、二番丸■釜、三ニ車軸、四ニ平釜

ともあるのだが、これだと切合であるとはとても思えない。


どちらにせよ、切合かどうかと、内のり寸法を考慮することは関係がない。

となると、風炉+釜が大き過ぎると言っているのだろうか?


それならば他の道具にしわ寄せが行くのは合点の行くところである。

あと、水指の吟味をしないと柄杓立が置きにくい、という話から考えると、台子皆具はまだ成立していなかったのかもしれない。