茶室の話12 あるビルの茶室

つい先頃,若い建築家A君から55図のような平面図を送ってきた.


床のまを縁側に接して作り,客を縁側内の明るい場所に坐らせ,亭主はその反対側で点茶をするという建築家的常識から,茶道口を床のまの左につけてあるが,この茶道口から茶室に入ると図の位置に炉を切らねばならぬ.
しかしこの図の炉は逆勝手の4帖半切りである.
そのうえ,客は点前畳を踏んで席入りするので都合が悪い.

改善案がこれ。

無駄に長い縁側を切り詰め/廃止し、茶道口の付け方を変えたもの。


でも左は逆光すぎるのが問題。
縁側に簾をかけてでも光を抑えないと、亭主の影しか見えなくなりそう。

右は六畳を横に使うのでちょっと客の尻の収まりが悪い感じ。