茶室の話17 にじり口

にじり口の大きさは

高さ 巾
不審庵 3帖台目,台目切り 68.8cm 62.4cm
又隠 4帖半,半切り 68.2 64.2
官休庵 1帖台目半板向切り 67.3 63.0
今日庵 1帖台目向板向切り 67.3 63.0

で,大体高さ67〜68cm,巾62〜64cmの片引板戸の小さい出入口であるが,特殊の寸法として,

高さ 巾
妙喜庵の待庵 2帖隅炉 79.4cm 70.2cm
半宝庵 4帖枡床台目切り 79.0 144.0(板戸引違い)

そうか、待庵の躙りは特殊なのか…。

イメージ的に躙りの始祖みたいな茶室なのに、後の茶室が追随しなかったのはなぜだろう?

待庵のにじり口は,とくに大きいので昔から有名で,高さで11cm,巾で7cmほど大きいだけだが,わずかのことで席への出入りが楽になる

考えてみると、日本人の体格が向上しちゃった以上、昔ながらの常寸で躙り口を作るのは無理があるんじゃなかろうか?

躙りの目的って別に客に窮屈な思いをさせることでもないと思うんだが。