茶室の話16 逆勝手の実例
昨日の「逆勝手廃止論者」への反証。
しかし逆勝手の向切りの席は数は少ないが昔にもあり,今でも作られている事実を無視することはできない.
試みに逆勝手向切りの実在の茶室をあげると,表千家の無一物 …… 2帖+台目2枚
慈光院の3帖茶室 …… 2帖台目向板
堀内家の半桂席 …… 1帖台目向板
旧久米邸の半床庵 …… 1帖+台目2枚向板
高台寺の遺芳庵 …… 1帖台目向板
大徳寺瑞峰院の安勝軒 …… 3帖台目
金沢月真寺の直心庵 …… 4帖
上記を分類すると
となる。
千家に多い、というより、武家は広間が多いので、小間の作為が千家に集中するのは当然のことだろう。
前数例のように,逆勝手は向切りに限り,4帖半切りや隅切り,台目切りの逆勝手はまったく作られないことに注意.
「まったく」は証明されようがないのですが、確かに思い浮かばないですな…。