玉川遠州茶道秘訣抄4 茶碗會釈の傅

深き茶碗ハ冬の具なり
茶筌の穂先を中へ落し柄を前縁へ持せ持出るなり
茶巾は向へつれ置なり。
茶杓取時留を取なり仕舞に茶碗へかける時も同じ

平茶碗は風炉の点前の具なり
茶筌の柄を中へ入穂先を向ふの縁へ持せかけする也
茶巾は前の方へ入置也。
茶杓取時節の所を取扱ふなり亦仕舞に茶碗にかける時も節を持なり

この流派のデフォルトの扱いは平茶碗の方だろうから、柄を茶碗に入れる。

筒茶碗などの深い茶碗はそうすると奥に柄が入ってしまって取り出せないので穂を入れる。
柄にしろ、穂先にしろ、茶巾はその下に入るように置いて取り出しを助けるのだろう。

ここまではうちの流派とおんなじ。
やっぱ武家茶道系なんだな。

茶杓を取る時、平茶碗は節を取るが、これは茶碗の差渡しと茶杓の径が近い時、切留を掴むのが難しいからだろう。

うちの流派だと茶碗の内側に手を入れないので、やはり切留を持つと思う。

些細な違いだが、茶人には気になるんじゃよ。