玉川遠州茶道秘訣抄7 坐掃羽箒の傅

三ツ羽にて坐掃することは常の箒の如く塵を掃き去にはあらす
翅は風を含むもの故塵を追い去るなり
掃方に習いあり口傅

おお。ごしごし掃いてはイカン、ということをここまで詩的かつ呪術的に表現できるとは!

或人小堀遠州公へ問て曰釜或は棚を掃く羽箒にて直に坐掃する事如何
甫公曰漢は獣毫を以て塵を払ふ我は羽翼を以て塵を追うと仰せられなり
然らは坐掃を拝見いたしたき旨申すをは
甫公曰く是より三年坐掃の稽古してその上にて御覧に入へし
近頃は漸々少し坐掃らしく相成候と仰せられたり
是にて當流には深く坐掃に習いある事を知へし

遠州の知らないエピソード。

遠州程の人が「もうちょっと練習してからネ」というのは、ていのいい拒絶とも取れるが、こういわれちゃ引き下がるしかないっスよ。


これをもって玉川遠州流では、座掃大事とても大事ということか。