玉川遠州茶道秘訣抄13 硯屏点の傅

硯屏風を使ったお点前、というのは見たことがない。

水指前に茶入を置左の方に硯屏を飾る
柄杓俯けてかけ左の方に蓋置を置なり
硯屏は四畳半の席に飾るなり
茶碗持出壁附に仮置して茶入を少し左の方へよせ茶碗並へ置
建水持ち定の所に置一礼点前也

屏風は水指左側に置く様だ。
しかも柄杓を掛ける場所として使う。
なので柄杓と蓋置は事前に飾り、茶碗の後は建水だけもって入る。

茶碗へ湯を汲入る時硯屏の方へにじり蓋置を取膝先に仮置して柄杓をとり蓋置を持居前に戻り蓋置定の所に置き帛にて釜蓋をとり湯を汲茶碗へ入釜蓋をしめ柄杓蓋置に置

いちいち硯屏風の方へにじって柄杓蓋置を取る必要があるらしい。

中仕舞の時は柄杓蓋置を持ち硯屏の方へにじり蓋置仮置して柄杓を硯屏にかけ蓋置きを建水の向うに置
吐く返りたらは硯屏の方へにじり蓋置きをとり仮置柄杓釜にかける

中仕舞の時はやはり柄杓を掛ける場所として使う。

仕舞時正客三種を所望し硯屏を所望するなり

正客も所望しなければならない。

三種を出し釜に水を差し釜蓋をしめ蓋置を持硯屏の方へにじり柄杓硯屏にかけ蓋置を建水の向ふに置水指の蓋をしめ柄杓蓋置き建水持入硯屏をとり少し後へ下り壁附に置正客へ御覧下されといふ

この流派だと釜に水を差し水指の蓋を閉める前に所望が入る。

だから所望されたら柄杓を取り上げてそれらのアクションをする必要がある、ということだろう。