玉川遠州茶道秘訣抄34 貴人御點前之傳

正式には「貴人御點前之傳並御附人之傳及び貴公より御茶給る時心得の傳」…長い。

客腰かけへ通りたらは(御附の人御下駄を直し戸を開きかたはらに相居る)
貴公出させられ前右に行(附人湯桶持行湯桶右に置き手水鉢の蓋をとり柄杓をとり御水をあげる)
貴公御手水鉢を遣はせられ数奇屋へ入らせられる(附人手水鉢へ水を増し湯桶持入り客をむかへ数奇屋へ入る

客が腰掛けに来たら、貴人は手水鉢へ向かい…水を入れ換えずに自分が使って席入りする。
付き人が手水鉢入れ換えして客を迎えに行く。


エライ人はわざわざ客なんざ迎えに行かないですよ!

客式の如く席に入る
(略)
貴公出道具畳に斜めにすわらせらる(是時客低頭する)
貴公は左の手を膝に置右の指先を畳に付け一寸頭を下げらせらる


エライ人は申し訳程度にしか礼をしないですよ!

んで、以後人間洞庫と化した付き人が道具を運んで来てお茶が始まる。

客一口呑みたる時服加減は如何と御尋あらせらる(客是時茶碗を下に置両手突き御挨拶を申あける)

エライ人から声掛けられたら客は道具持ったまま回答なんて畏れ多いですよ!

客三種所望は御附人より取次申あける

エライ人に直接要求なんて畏れおおいですよ!


…左向きの人が憤激しそうなお点前で。