尾張の茶道10 敬公の御数寄道具

木下稔著。

義直の茶道具の中心をなすものは、家康在世中に直接与えられた「御譲道具」と家康の薨去後、元和二年暮から同四年十一月にかけ駿府において尾州紀州・水戸家の御三家に配分された家康の遺品駿府御分物である。

この時のリストが本書に乗せられている。大量を眺めていると

  1. 御茶碗 荒木
  2. 茶杓 利休涙
  3. 御掛物 遠浦 玉澗

など、今でも展示されるものが含まれている。

これが今でも散逸せずに徳川美術館で展示できているのは、御三家尾張徳川家の財力がすごかったことと、権現様の遺品を売るわけにもいかないし、家臣に拝領させるにもそれほどの功績を上げる時代背景がなかったということにあるんじゃなかろうか。