尾張の茶道11 尾張の秘花「大坂箱」について

大河内定夫。

徳川美術館に収蔵されている財宝の中に「大坂箱」というものがあるらしい。

徳川方によって撤収されたこれらの戦利品の中に、現在「大坂箱」といわれる杜松の箱に保護された什宝が含まれていたであろうことは想像に難くない。

光厳院宸筆とか、唐物丸壷茶入とか、珠光茶碗とかいろいろ入ってて、いかにも大名道具という感じなのだが、ちょっと違和感のあるものも。

  1. 鎌倉彫飯匱形香合
  2. 古薩摩瓢形茶入

椎朱の盆と鎌倉彫がいっしょに納められているのが納得できないが、桃山末期〜江戸初期に、鎌倉彫が一定の評価を得ていたことを示すもの…なのだろうか?

古薩摩は大坂城の時代には新物であって、名物道具の箱に入れるようなものではないのではないだろうか?

どこか後の時代に混入したのだろうか?