茶道筌蹄3 小座敷

茶道筌蹄一「小座敷」より。

四畳半以下を小座敷と云
四畳半以下は初後共座はきをなす
四畳半以上は道具畳ばかり座はきをなす
尤もはき込無
皆座はきするする時は騒敷故也

我々が「小間」と呼んでいるものを、本書では小座敷と言っている。
座掃の有無を「うるささ」で決めているが、たぶん所要時間の方が大事だと思う。
広間を掃除したら大変時間がかかり、中立が長くなるわけだから。

かこひの始りは珠光東山殿正寝十八畳の間を四つ一分囲ひたるが濫觴也、
其後紹鴎六畳を好み又四畳半になす道幸を付るハ利休形也
(略)
二畳臺目
少庵京都二条に住居し節初て好み(略)
一畳半
少庵好二畳大目を見て餘り自由過たるといふと利休居士一畳半を好む

紹鴎が六畳を好み、利休が道庫付四畳半を好んだ様に書いてある本書。

たぶん、江戸後期の表千家では「山上宗二記」は読まれていなかったっぽい。
また、南坊録の影響も受けていなさそうだ。

四畳半も道庫も利休のイメージとはほどとおい。

四畳半は利休には広すぎるし、道庫も利休には温過ぎる。つき合いの多い大店の御隠居のお茶って感じだ。

むしろ、当時の表千家の主要顧客が好んだやり方を、「それの始めは利休さんなんですよ」と説明していたんではなかろうか?