茶道筌蹄4 勝手口

茶道筌蹄一「勝手口」より。

ほたて口と火燈口は勝手口に限る
火燈口ヌリ廻は勝手口と通ヒ口と兼用するも有
堺塩穴寺利休好の二畳臺目有引違ハラ口付られぬ席故也

塩穴寺の二畳台目ということだから、後に南宗寺に移築された実相庵のことだろう。

腹口(曲り茶道口)が付けられなかったので、躙口と対向する方向に直線上の茶道口(勝手口兼通い口を付けた)ということだと思う。

ただ、現在の実相庵には茶道口と給仕口両方あるので、これが改修の結果なのか、私が文意を誤っているのか不明。

通口
ヌリ廻しに限る
茶湯の節菓子たはこ盆も通口より出す通口の濫觴は臺目切には点茶の節、貴人の前へ行て急なる用事など勝手口より口上かたき故利休勝手の外に通口をあける也
夫故禿女口と云出入するためと云う意也

告げ口するから禿口。あんまりいい名前じゃないね。

でも「台目切りには」とあるのは台目でなければ畳が長く、亭主の後ろから茶席に入れるが、台目切りだと入れない、という事を意味しているわけだから、茶道口はないと不便という認識はあった模様。