茶事談5 本朝茶祖珠光傳 正統
台子の伝授について
珠光門人多キ中ニ篠道耳臺子ノ式法ヲ傳受ス
道耳ヨリ十四屋宗悟ニ傳受シ宗悟ヨリ紹鴎ニ傳受シ紹鴎又宗易ガ茶事ニ器量アルコトヲ知リテ宗易ニ傳受ス
宗易ニ至テ太閣秀吉公ノ命ニヨリ茶會ノ極意ハ一子相傳トナル
宗易嫡男眠翁紹安蹇病ナル故ニ少庵宗淳傳受ス
珠光が始めた台子の伝授を、秀吉の命で一子相伝になった、という。
- 紹鴎が利休に台子を伝授している
- 秀吉が台子の伝授を一子相伝にした
- 道安が不具
というツッコミどころの多い伝承である。
なお注に「或曰宗旦ハ紹安ノ子ニシテ宗淳ノ養子ト云」とある。
この時代既に宗旦は誰の子かが議論されていたとは面白い。
宗旦故有テ藤村庸軒ニ譲置庸軒又宗旦ノ子江岑宗佐ニ譲帰ス
江岑其子良休宗佐ニ譲リ良休又原叟宗佐ニ譲リ原叟宗佐故有テ先々師三谷良朴宗鎮傳受ス
宗鎮是ヲ以テ藝州侯ニ仕官ス
實子頼母ト云法躰シテ宗鎮ト号ス近年没ス
臺子傳受次席ノ人々ノ姓名記書一巻アリ
門人で台子伝授されたのは庸軒だけではなかろうし、息子で台子伝授されたのも江岑だけではなかろうに、一子相伝にしたが故に無理のある話に。
しかもこれでは千家の正当が(和漢茶誌を書いた)三谷良朴にあるようではないか?
というかもうこの部分全然珠光関係ない。
っていうか三谷良朴どうでもよくないか?
本書と和漢茶誌の両方に中川茂兵衛という出版人が関係しているので、その関係のステマかもしれない。