新時代の礼儀作法2 時代にマッチした盆点前

新しい「茶の湯」として、改まったお茶席のむずかしい作法も簡略にして、洋風の応接間で椅子にかけたままでいただく抹茶、あるいは茶の間でくつろいでたてる一服のお茶、どこでもだれでもたてられる抹茶の点前、これが盆点前です。

というわけで、略盆点こそ戦後の庶民のお茶だ、というのが本書の主張。

…かなりアリガチ。

一般には茶席で釜をかけることは少ないのですが、来客の場合にはこの略点前でお茶をすすめることは、準備もいたって簡単で、しかもお客さまには鄭重で鄭で奥床しい感じを与えます。

いや、いきなり奥さんが応接間で略盆しはじめたら、客はドン引きだと想うんですが…。

…しかし懐かしいネ、応接間って文化。


では、具体的なお点前の説明は:

お座敷なので火鉢はどこへでもおけますから、亭主の出入りする茶道口も考えて、本勝手というのは、亭主がお茶をたてる座から見て右側に客がすわる構えです。
(略)
盆の上の帛紗は、向こう側の左右の端を両手でとり、四方さばきのときのように、左手をさらに左の端に手をかえて、持ち直して帯につけます。

これ、ふつーにお点前上級者向けの説明なんじゃないかな?

まぁそうだよな。当時の女性には、ごくあたりまえに茶の湯の心得があることが前提なんだよな、花嫁修行の一環だもん。