講座日本茶の湯全史3 会所の茶の湯

影山純夫著。

太平記佐々木道誉の記述や喫茶往来、慕帰絵などから会所の様子を詳らかにした章。

中世それも南北朝時代における世俗の茶の湯を考える場合、禅宗寺院とくに臨済宗寺院における茶の湯の影響を無視することはできない。
(略)
四ツ頭の行事で興味を引くのは、食事と茶が組み合わされていることであり、抹茶を入れた茶碗を天目台に乗せて配り、給仕役が湯を注いで茶をたてるという点茶方法である。
その点茶法が世俗に広がっていったことは、『喫茶往来』などが示す通りである。

四ツ頭の茶会は当時の中国の禅宗の茶礼の記録に合致しているのだろうか?

会所で行われる飲茶としては、食事と組み合わされた茶があり、これについては『喫茶往来』にみてきた。
それ以外に闘茶という極めて遊興性の高い飲茶があったこともよく知られている。

当時の中国に抹茶法の闘茶はあったんだろうか?

私の感覚では、当時は坊主も、武士も、商人も、舶来LOVEのあまり禅と茶の湯の文化を導入していると思うのだが、肝心の先方にそういう文化があったのかが今一つ掴めない。