講座日本茶の湯全史31 女性の社会進出とお茶

大屋幸恵著。

女性がなぜ茶の湯を習うのか。

明治中期には、国粋主義の流れから伝統文化への回帰と相まって、茶道が、新たに女性の礼儀作法や教養として意味づけられるようになり、女性の「たしなみ」「お稽古事」として広く一般に認知・注目され、女性の修練者人口が増加する事となった。

この問題を語る時は、江戸時代の茶の湯がどうであったか、そして江戸時代の「花嫁修行」というのがどうであったか。更に小笠原流礼法はどうであったか。
そこへの論証が足りていないのではないか?

その辺を論証した上で、裏千家の働きかけがどれくらい意味が合ったかをチェックする必要があると思っている。
ぶっちゃけ明治に起きた事は、小笠原流礼法のパイを茶の湯…というか裏千家が横から食いにいったようなものではないか?という疑惑が私にはあるからだ。

戦後に関しては

戦前とは異なり、家事を自分自身で実践しなければならないという状況になったとしても、さまざまな耐久消費財保有することによって、家事時間が削減され、家事や育児に携わらずにいられる自由な時間をもつ主婦、すなわち「有閑女性」を創出したことは周知のことである。

核家族化についても語るべきな気がするが、概ね合意できる。


さて、ここからは私の意見。

私はバブル末期に社会人になり、それなりの給与水準で飯を食ってきた人間である。
私から3〜4年下は突然就職難になり、それ以降、若者が金を稼げていない。

だから「有閑女性」は私の下の層で滅亡している気がする。

そして仕事もなく金もない層は茶人にはならないと思う。

だから、もしかすると、私の世代は現代茶人の最後の世代になるかもな、と思っている。

大寄せでも私より若そうな人は、親と同伴でしかこない感じだしね。


男?

男はもともと絶滅してるから…。