講座日本茶の湯全史34 おわりに

講座日本茶の湯全史(全3巻)は、茶の湯文化学会20周年記念出版物である。

2013年時点の茶の湯の歴史研究をまとめたものである。


全3巻読み終えての感想。


この本は非常に「大寄せ茶会」に似た本であった。


それぞれの著者が、自分の得意分野の、いい感じのところを切り出して披露している。
日頃のお稽古の成果の発表を──日の当たる所でやりたい。そう願って書いているような、ポカポカと穏当な感じが伝わって来るからだ。


この本はいろんな茶説を紹介するが、分担の所をきれいにきれいに納めている。
和気あいあいと…まるで異論がないかのような雰囲気がある。


いやしくも学会を名乗るなら、もっとバトルの雰囲気があっていいと思うんだ。
それぞれの分野の、異論異説と現在の論争状態を伝えてくれてもいいんではないか?

一枚板の学会なんて、信濃町に一個ありゃ十分なんですよぅ…。