徳川美術館 大名の数寄
入ってすぐに、漢作瓢箪茶入「玉津島」、唐物文琳茶入、古瀬戸野田手茶入「蓬生」。
玉津島がカッコイイ茶入であるだけに、唐物文琳の釉のつまらなさ(本当に唐物か?)、古瀬戸の格の低さが強調されてしまう。
この三つを並べるのは、鷹揚でもあり、無神経でもある。
並みの茶道美術館ならやらないだろうが、それをやってしまえるのが徳川美術館である。
井戸茶碗「磯清水」。内外が違う色味ということでこの名がついたらしいのだが、照明の具合か、内外の違いは判然とせず。
古銅砧形花入「杵のをれ」。鮟鱇口ぽい形の、異形の花入。いかにもこれは大名道具という漢字。
唐物茶壷「雄鳴」。すごい存在感のある茶壷。ただ、唐物茶壷を大名の数寄と言ってよいのだろうか?時期が合わない気もする。
御成りがテーマのせいか、コレクションの方向性のある展示というより、力任せの道具組み、という感じ。
にしても、ミュージアムショップが織部没後400年ということでか織部の茶道具をいくつも並べているのであるが、殺した側がすることなんだろうか?
この鷹揚さというか無神経さが、徳川さん、ということなのかもしれない。