茶道入門3 客の心得

さて、お茶会の流れ。

客としては、当日主人に対して適当なお土産物を持参することと、必らず案内の時刻の十分程前に参着しなければなりません。

時間厳守よりも前に「おみやげ持ってけ」が入っているのが驚き。

…お茶の悲しい変容である。

かりに午前十一時という案内でありますと、主人の方では、十一時半には初炭が置かれる予定のもとに元火が入れてあります。
ところが十二時過ぎても客が揃わない時には、元火が流れてしまいますから、また入れ直さねばならないし、釜の湯も減るので注ぎ足すことになり、その他ご飯を炊く時間とか、汁や煮物の加減に影響しまして、つぎつぎと手筈が狂うので主人は、それからそれとまごつくことになるのであります。

本書は時間厳守の理由が書いてあるのがめずらしい。

また連客の方でも、他の四名はキチンと定刻に揃っておるにもかかわらず、自分一人がおくれたために、主人に大変迷惑をかけると同時に、連客に対しても相済まぬことになりますから、時間は絶対に励行しなければなりません。

連座制の感覚が、なんとも日本的、ということなのかもなぁ。