喫茶南坊録註解3 総論

南坊録ノ記述ハ毎巻各別科ヲ叙シテ、他巻ト聯絡スル所ナシ。
而シテ其ノ第一、第二、第三巻ハ草態ノ茶則ヲ説キ、第四、第五ハ眞態ノ諸則ヲ説ク。
然レドモ其ノ第六巻以下ハ全ク趣ヲ異ニス。
此等諸巻ハ前五巻ニ記スル者ノ原理ヲ説明スルノ観アリ。
此ノ如クナルガ故ニ、第一巻ノ所説ヲ解釈セントスレバ、先ヅ其ノ第六巻以下ノ記ヲ了解暗記シテ後ナラザレバ、全キヲ得ズ。然シテ其ノ第六巻以下ヲ了解センニハ、亦前五巻ヲ諳ジザレバ、全カラズ。

十巻本なら、

一 覚書
二 会
三 棚
四 書院
五 台子
六 墨引き
七 滅後
八 秘伝
九 追加
十 目録

だろうか。

覚書、会、棚が草。書院と台子が真。
それ以降はそれ以前の巻＊覚書、会、棚、書院、台子)の注釈風、ということか。

私の感覚では、覚書があざやか過ぎるチュートリアル。
会、棚、書院、台子は、御託を並べたもの。
滅後以降は蘊蓄。

構成的に失敗しただけなんじゃないかなー。