喫茶南坊録註解19 台子の寸法

南坊録の書院には興味有るネタがなかったのですっとばす。

台子。

曽テ総論ニ説キシ如ク、臺子ノ始メハ文永四年南浦紹明宋ヨリ齎シ帰ヘリシヲ嚆矢トス。
其ノ後茶道ノ起コリ以来、相尋キテ数個ノ臺子舶来セシモ、其ノ寸法我国ノ畳ニ適合スル者尠ク、甚ダ不便ナリ。
依リテ能阿弥考定シテ、臺子ニ一定ノ寸法ヲ立テタリ。
以来此ノ制ヲ遵守シテ毫モ変改スベカラザルコトヽナレリ。其ノ事ハ本録六(一二)ニ詳カナリ。

本録六(一二)は、「墨引の第十二センテンス」を指す。


もともと、私の台子というハードウェアに対する疑問は二つ。

  1. なぜ畳の無い中国から輸入した台子が日本の畳の幅と合致しているのか?
  2. 中国で台子はどう使われていたか?


台子は南浦紹明が輸入したものだが、畳のサイズと適合せず、不便だった。
それを能阿弥が畳サイズに合わせ作りなおさせた。

…これで前者の疑問は解消する。

南坊録、読破したつもりでそうでもなかったんだなぁ、俺。

とりあえず、私の思うような疑問を南坊録の著者も共有していた、という事が判って少し親近感。


しかしですな。

なぜそこまでして中国製のしょぼい棚を神聖視するのか?という新たな疑問が浮かんでどうしようもないですな…。