日本の茶道の流れ2 儒学

儒学によって部家社会では幕府、諸藩の権力集中にともない忠が重視され、知行・俸禄の給付は、主君の恩であるとする観念が浸透した。
(略)
こうした教学思想は、今世紀の第二次大戦が終るまで続いているが、それはともかく茶の湯も、徳川幕府儒学文教制作の影響を強く受けていった。
(略)
というのは室町、桃山時代を通して流れてきた茶の湯の豪放、闊達な精神は、影をひそめており、遠州は「茶道の精神とは、君父に忠孝をつくし、家業を怠らず、旧友との交わりを失わないことである」と述べており、時代的な背景をよく物語っている。
(略)
同時に茶の湯は、一方では江戸文化の高揚、発展の重要な役割を担う布石ともなっていくのである。その基礎をつくったのが遠州である。

遠州中心の茶道史、というのは、禅よりも儒学が来てしまうのか…。

視点の置き所が他の茶書とは違うなぁ。


ただ、これだけ読んでいると遠州の茶はつまらなさそうに感じるのだが…著者的には「世の中がつまらなくなった」のが悪いということにしてるんだろうなぁ。