和敬

古来から様々な茶書に、亭主の仕事として、客組の大事さが書かれてきた。

つまり「仲の悪い人同士を呼んでも茶会は成功しない」ということだ。


茶の湯と言うセッションが一座建立を目的としている以上、その阻害要因は入口で排除すべし、という事でもある。


これは即ち、茶の湯には人と人を仲良くする力はない、ということなのかもしれない。


そこまで卑下することはないかもしれないが、すくなくとも亭主の立場からは「客同士を仲良くさせそこねて茶会失敗するよりは、仲良しの客呼んで茶会を成功させるの優先」という発想があるのだと思う。


つまり、茶の湯の精神…和敬清寂の「和敬」の部分とはいまいち志の低いものであり、大上段に構えるほどのものでは無い気がする。