茶道規範4 聞書 客に依り道具取合心得の事

茶道便蒙抄ではこうある。

一 客の中。所持の道具と。同然の道具亭主所持ならハ。其道具ハ出す間敷事也。
乍去一方。名物か。拝領の道具ならハ不苦。萬時是にて心得へし。
但侘ハ各別の事也。

  1. 客の持ってる道具は出すな
  2. でも名物拝領の道具なら可
  3. 侘びは別

と言っているわけである。

それに該当する聞書の部分はこうである。

一 道具にも限るべからず。
萬事料理に至るまで先方と差合なき樣にする事なり先方にて菜汁出たるに又此方にても菜汁出すが如き是なり。
或は赤茶碗出たるに亦呼時分赤茶碗出す事道具を競ふやうにて惡しヽ
侘びは釜一つ茶碗も一つといふなれば幾度にても苦からず。
故に侘人は道具一通り計り所持する事なれば取合をよく吟味して所持すべし
一名物たりとも客より所望にて出す事ならば格別
先方にて赤茶碗出したるに故なくして此方に招時分に次郎坊出すまじき事之。
拝領の道具是も此心得たるべし
開きならば構なし

  1. 道具だけじゃなく、もてなしも被んないようにしなさい。
  2. 侘びはそれしかないんだから別。でもそれだけに道具選びは慎重に
  3. 名物や拝領道具も、所望なら出していい。でもそうでないなら被んないようにしなさい。嫌味だからね。

よりわかりやすく、納得のいく条件改変が行われている。

それよりも注目すべきは、江戸時代も、大正時代も、お茶は招いたら招きかえす、というのを大前提にしているんだなぁ、ということ。

お包み持ってく世界はやっぱ不純だよなぁ…。