茶道規範8 聞書 廬地の事

茶道便蒙抄にこうある。

第十 廬地の事

一 水を打事中くヾりの戸雪隠の戸内外水にてしめす
樹木飛石殘らず水をうつなり
寒天の時は水少し打なり
雪降には少しも水不打
雪は通り道おき土飛石の上ばかりをはきてよし

聞書の該当箇所はこうである。

第十 廬地の事

一 猿戸圍の戸水にて濕し中くヾりの戸も水にてしめして能く滴りを拭ふべし。
さなくば敷居しめりてあしヽ
猶迎へに出たる時に雑巾用意して出敷居をぬぐふべし。
暑の時分は樹木踏石殘らず客の來るべき時分を考へ水を打置
又客迎に出る時に水を打也
寒き時分は見合少し打べし
雪ふりは打たず置、土飛石計り雪を掃き樹木竹など通道邪魔になるべき處の雪を拂ふ。
置土といふは長路地の漆喰のねり土に小石をまぜて蒲鉾形にして作る

元に比べて非常に詳細化されている。

茶道便蒙抄の「水を打つ」を読んで、門も樹木も飛び石もびっしょびしょのままで客を迎えて問題になった門人がいるんじゃないかなー。

雪隠が省略されているのも時代の差か。


あと、迎えに出る主人が雑巾を持っている…というのは不思議な感じだ。
敷居を拭うのは挨拶の前だろうか後だろうか?

最後の置土はよくわからない。飛石を漆喰で代用したものだろうか?