茶道規範14 聞書 茶點やうの事/茶の点て方
聞書には茶道便蒙抄では書かれない茶の点て方自体の注意事項もある。
手は左の膝の上にふっくりと伏せて置べし
左右ともに膝に置時も此心得なり
末流にては疊に手をつく時あふぬけてつく者あり
異樣にてあしヽ
平日のごとく是もふつくり伏してつくべし
是古實を知らざる故なり
左手を待機させるときは手の平をふっくらと曲げなさい。
手の甲を突くのは異様。
手の甲を突く流派があるとしたら、畳が汚いから手の平を汚さぬ配慮であろう。
ふっくらも同様に、手の平全部を突かない様にする配慮か。
扨茶碗によき程湯を入れ柄杓釜にかけ置き茶筅を取て茶を點るなり
餘り長く點る時はねばり出てあしヽさら/\とすべし。
當流にては茶をわけるといふ
依てかたまりなく茶を能く分る事専一なり。
此事未熟にては茶せんふりがたし
宗旦は薄茶を點る時にさら/\と湯を入茶能くわかりたる時は茶せんを用ゐず呑まれしとなり。
ちゃんと解けてれば茶筅はいらない、という表千家系ならではの話。
あれ?そういえば表千家の濃茶は呑んだこと無いな…さらっとしているのだろうか?
客多くして湯一度に入がたき時は茶筅の軸を左に取て茶せんを仰向け持ながら右にて柄杓を取り又能きほどに湯を入れ右へ茶筅を取りてさはさはと振る
末流にて茶筅茶碗につヾけながら湯を入る古流にてはせず。
濃茶で濃度の調整をする時の話だろうか?
(濃茶を練っている途中で)湯を汲み足す時は、茶筅を左でどけて右手の柄杓で湯を汲み入れ、茶筅を右手に渡して茶筅を振る。
他流みたいに茶筅を茶碗につけたままで湯を入れるのは昔はしなかった。
まぁ確かにそれは横着である。
他流ダイナミック過ぎる。
宗偏流のやり方自体より、そこから見えて来る他流の有り方の方が面白いかもしんない。