茶道規範13 聞書 茶點やうの事/服加減
服加減の挨拶のあたり。
茶道便蒙抄ではこう。
一 客茶碗を取茶をのむべし。
時節寒天なれば釜に懸置たる柄杓を取左へ持直し釜の蓋をして柄杓を建水の上に置
- 服加減の挨拶はしない
- 寒いときは中仕舞いする
聞書は以下のよう。
一 客茶碗を取に向ひ亭主に對し先呑まるべきよし挨拶するなり。
されども堅く辭退すべし。
斯て上客茶を一口か二口ばかりも呑たる時、茶惡しく服の加減も宜しからざれば湯をさすべきやと挨拶なし然る後寒暑に限らず釜の蓋をしむるなり。
- 服加減の挨拶はするが、湯加減の挨拶である
- 常に中仕舞いする
(略:中仕舞の動作後)客の方へ向ひ居るべし。
服加減心もとなければ御殘しありたしと望むべし
廻り來らば茶を戴きて呑むべき也
茶碗見度よし客より所望あらば出すべし
んでもって、自信が無いからお残しくださいとまで行って、相伴する。
些細な部分なのに同じ流派での時代の変遷による差がある。
茶道の、特に客に接する部分は、自流にこだわって我を通すわけにはいかない。
世の中が服加減の挨拶するのが一般なら、自流派も迎合しようよ、ということになったんだろう。