茶道規範38 聞書 雪中に尋茶を呑む事
茶道便蒙抄の記述はとてつもなくシンプルである。
一 晝夜ともに雪降にかぎり何時によらず尋茶をのむべし
聞書は更に解説する。
是は雪降興を催し雪に乗じて友を尋ぬるの意なり。
主も其作前肝要なり。
別に雪中の茶事とて替る事なし。
又兼て互に雪降らば尋ね來らんと約束あらば猶更の事なり。
(略)
他の茶事が「亭主が巧者か師家の場合」の条件が大抵ついているのに、これは無条件である。
雪見の茶が、茶人の最大の歓びだった…といっても過言ではなかろう。
ところで気になるのは、フラグ管理である。
このルールだと、互いに訪ねて行き違いになるというのが多発しそうな気がするのだが…。
あと、本書の執筆者である關嶺宗は、新潟の茶人である。
雪深い所でこんなルール適用していたら、冬は家に帰れなくなりそうなもんだが…どう処理したのだろうか?
そもそも、雪国の人間にとって、雪は興を催すようなものなんだろうか?