茶道規範39 聞書 四畳半の座敷に置棚の事

茶道便蒙抄にはこうある。

第六 四畳半の座敷に置棚の事

一 袋棚は爐計に用るなり。
爐縁より八寸程さきへよせ。脇は表疊目四つ勝手の方五つたるべし。
(略)

まぁ袋棚に風炉は置けない以上、炉の時にしか使えないわな。


聞書にはこう。

一 袋棚は爐計りに用ゐるなり。
爐縁より六七寸程先へ寄せべし八寸にては遠し。
又三四寸の時は点茶には
仕能くあれども後火直す時は釜をあけるに支へてあしヽ
脇は表疊目四つ勝手の方五つ定式なれども畳の間によりて定めがたし。
(略)

微細な修正が行われている。
体格が改善してそうな大正時代の方が棚の位置が近いのは、女性化の影響かもしれない。

あと、もしかすると江戸時代は京畳しか考えなくてよかったのかもしれない。


また茶道便蒙抄の以下の項目に関し:

一 丸香臺を水壺棚に用置事あり(略)

以下は聞書に載っている心得。

茶入茶碗を下へおろすなり
茶入を先に取り茶わんを次に取心持にすべし。
兩品ともに左右にて一緒に取り下に置時も茶入を先に茶碗を次に置心持にて右の手より先にはなすべし
是にて一緒に持といへども左右へ心を付る意なり。
二品一緒に取上る時は氣空になりて惡し
萬事點前此心付肝要なり。
(略)

少なくとも私の流派では左右の手で道具を同時に取ることはない。
無いからこそ、あまり意識してこなかったことが言語化されていた。

左右の手を両方いっせーので道具を持つと、すっごいまぬけな感じがする…。