茶道規範59 要録 茶は南方の嘉木なり

要録下巻。

巻頭は

夫茶者南方之嘉木也トハ唐之陸羽之茶經一部ノ發言也

から始まる、茶史の蘊蓄。

こっちを一巻として先に出したら、本書が「南方録」と呼ばれていたかもしれない。

茶徳、茶の字の変遷などや:

煮茶ト團茶トノ差別ハ宋ノ仁宗帝ノ朝ニ蔡嚢君駁謨ト云者初テ好茶ヲ碾テ練テ煎餅ノ如ク作リ重サ一斤ヲ團餅八ツトシ上ニ龍ト鳳ヲ印文ス
(略)

団茶の話も載っている。


現代の、熊倉功夫の入門書レベルの話は1691年…300年以上前のこの本で既に行われていた事になる。


この辺の蘊蓄は、さすが元坊主というところかもしれないが、「どうやって勉強したんやろ?」という点を考えると、江戸時代初期の出版事情をも考慮する必要があるかもしれない。