茶道規範63 要録 昼の茶事 晩の茶事

茶之湯五時之事
五時トハ朝晝菓子夜咄蹟見ヲ云リ
(略)

朝茶事は略す。現代でいう暁の茶事である。

晝ト云ハ尤モ午未ノ間也
飯ノ出ル所ハ大方未ノ刻タリト云共其前ヨリ行ク事
薄茶ヲモ飲テ互ニ談ゼンガ為也
晩トハ不言メ晝ト云事茶道ノ法ナリ

昼茶事は13時ぐらいのお茶。
飯が出る時間は大体14時ぐらいだけど、その前には行っとく事。
薄茶でも飲んで話をする為だ。
晩とは言わないで昼っていうのは茶道のルールである。

夜咄ト云ハ酉ノ刻也
是モ法ニテ夜會トハ不言ナリ

夜咄は日没の時間からのお茶。これも夜会とは言わない。
菓子と後見は略。


夜咄を夜会と言わないのは、シソーラスの統一に過ぎない。

だが、昼茶を晩と言わない、というのは解せぬ。

一日二食だった頃の食事時間は早朝の朝ごはんと、14時ごろの夕ごはん。
三食制の始まった元禄の頃でも、三食目はあくまで+1食の夜食だったらしい。

なので、夕飯を食う会という意味で、晩と言ったのだろうか?


また、茶事七式から考えると二つ少ない。不時がないのは定式でないからいいとして、現代で言う「朝茶事」が無かったことが判る。

季節感を大事にした夏の茶事…なんてものはまだ無かったのだろう。