茶道規範64 要録 季節感

宗偏の語る季節感は風炉と炉、あと花ぐらいに限られる。

だが。

夏冬ノ時節ニ不限爐風爐ヲ用ユル事當流ノ事也

原則論としては、宗偏の茶の湯では、季節と炉風炉は関係がなかった。

然リト云共炎天ノ時分甚ダ涼キトテ爐ヲ用ニハ非也

とはいえ、夏にちょっと涼しい日だからといって炉はどっかなー?という常識はあった模様。

多クハ寒天ノ温カナル時風爐ニ擧ル事アリ
是ハ茶主ノ氣轉ナルニ因テ兼テ難測

小春日和の日に、「あったかいナリー風炉にするナリー」みたいな事はありえる。
でもこれって主人の気まぐれなんで推測不能

此故ニ廬地ヘ入ト其儘先厠見戸開テアラバ必ズ風爐タルベシ

そーゆー時はトイレを見よう。ドアが空いてれば風炉の約束。

然ラバ速ニ足袋ヲ脱ベシ
爐ノ時ハ尤モ足袋ヲ用テ吉又不用共不苦
風爐ニハ必ズ不可用也

ならさっさと足袋を脱いでおこう。
炉の時は足袋を履いててもいいけど、まぁ脱いだって別にいいや。
でも絶対風炉には足袋はダメっすよ。


現代の茶の湯との隔絶ポイントのひとつ、裸足の茶の湯

風炉の時は脱ぐお約束。これが常時履いとくようになったのは何時のことだろうか?
女性の進出が影響している気がするが。


あと、この流れだと、移動に使った足袋を、茶室に入る前に履き替える、みたいな風習もまだなかったのかもしれない。
裸足で来て裸足で入席する可能性もあるんだもんねぇ。