茶道規範68 要録 炭見物

第十二 炭見物 附 遇所望時之事

茶主釜ヲ揚タル時先ヅ炭ノ流レタルヲ可見
尤モ三人一同ニ不可見
其後下火ヲ直シ灰ヲモ仕廻タルヲ見可
次ニ一ツ置タルヲ可見折々ニ見テ吉トス
(略)

炉の場合の炭手前の拝見。風炉はしない。

「折々に見てよし」からすると、ワンアクションごとに炉ににじり寄って拝見し、元の座に戻るのだろうか?めんどくさいな。

扨可歸ト思フ時茶ノ禮ヲ述テ暇ヲ請ヒ今一炭ト必ズ所望スベシ
是ヲ末流ニ立炭ト云フ也
可歸ト思フノミニテ暇モ不請メ炭所望アルハ惡シ口傳

帰ろうかな、と思った時、礼を言って暇乞いし、その際必ず炭を所望する。
他流では立炭という。
帰ろうかな、と思うだけで暇乞いもしないのに炭所望するのは良くない。口伝。


立ち炭は、亭主が「いえいえ、もう一杯お茶点てますヨ」という引き留めの気持ちである筈。
でも、客の「帰ろっかな」の気持ちがないと、単なる「追い出し」に見えてしまう。
だから、その気持ちは客側から表明しないといけない。
でも、そこで亭主が炭を継ぎはじめると、やっぱ「追い出し」っぽい。
なので客から所望するのだろうが…所望して、お茶を点ててもらわない、なんて変である。

どうもこの辺、ルールがおかしい気がするんだが……。