茶道規範70 要録 菓子

茶菓子出タラバ喰散サヾルヤウニ奇麗ニ食フベシ

毎度書いている気がするが「禁則があること」=「そーゆー事をする奴が多かった」である。

扨楊枝ヲ必ズ懐中シ座中ニテ不可遣
(略)

この「楊枝をつかう」は、「菓子を食うのに使う」ではないだろう。

おそらく「菓子を食べた後、使った楊枝は懐中すること。決して歯の間の食べかすをシーシーしないこと」だと思う。
わざわざ「座中にて」と書いてあると言う事は、中立の間にシーシーしてもよいということかもしれない。

この辺から判るのは、当時のお茶人は必ずしも上品ではない、ということだろうか?

膳ノ脇ニ菓子ト楊枝ヲ附テ出ス事アリ
其時ハ飯ノ箸ヲ不取前ニ先ヅ楊枝ヲ取テ膳ノ外脇ニ置ク也
猶侘ニハ菓子モ不附メ楊枝バカリヲ置事アリ
(略)

膳を引いていないのに菓子が出る、というのは理解に苦しむ。

菓子の出せない侘び茶人は、楊枝だけ出す事もあったという。

飯後の茶は侘びのものだが、さらに菓子も出ない事があったのか…。

そこまでして茶をやる意味があるんだろうか?
いっそのこと茶碗だけ出て茶が出ない、くらいのトコまで行っちゃえば面白い気もするのだが…