茶道規範76 要録 拝見

要録もこれで最後。

第二十一 諸道具見物之事

主點茶ヲ勤テ釜ニ水ヲ指シ水壺ノ蓋ヲスル時茶盛ヲ可請

茶入の拝見を乞うタイミングは水指の蓋を閉めたとき。
現代と一緒で安心する。

見ヤウ茶入ノ際ヘ寄リ先ヅ主ノ出シタル表ヲ能ク見覺ヘ両臂ヲ疊ニ付ケ右手ニテ茶入ヲ取リ左手ヘ移シ少シ退去
茶入ノ總冠*1合ヲ見物シ扨蓋ヲ取見テ疊ノ縁ヘ掛ケ下ニ置キ茶入ノ口作リ肩ノ躰茶ノ殘リタル程ヲ見テ蓋ヲメ少シ傾ケ底土作リヲモ見ベシ
高ク揚テ不可見
扨茶入ノ表ノ方ヲ人前ニナシテ下ニ置キ次ヘ渡ス也

これまた現代と変らない拝見の様子。

牙蓋を畳縁に預けるのは、足で踏まない場所だからだろう。

ちょっと気になるのは「茶の残りたる程を見て」の部分。
茶が残る事が前提と言う事は、廻し出ししなかったんだろうか?

人数分きっちりのお茶が入っている事が大前提の現代では考えにくい。

ただ、余裕をもってたっぷり入れるのが小壷である、と言われれば納得もするし、なにより唐物肩衝の巨大さも説明できるしね。

*1:巾+合