閑夜茶話
井伊直弼著。
種本は奥田正造発行非売品。1936年。
「茶湯一会集」が井伊直弼の茶の湯入門書であるとすれば、こちらはエピソード集。
一 六宗匠の事
東山義政公 御師範 南都稱名寺 珠光
初村田茂吉、南都の住人、出家して稱名寺の中法林庵主となる。後京都眞珠庵に住す。
織田信長公 御師範 武野因幡守 紹鴎
初武田新四郎、堺の住人、一閑斎、大黒庵の號あり。
豊臣秀吉公 同 千利休居士宗易
初田中輿四郎、堺の人、抛筌斎、不審庵の號あり。
台廟 同 古田織部正重勝
初太閤に仕ふ、卯齋と號す、法名徳善院金甫宗屋居士
猶廟 同 小堀遠江守政一
幼名作助、孤蓬庵と號す、法名大有宗甫
嚴廟 同 片桐石見守貞昌
初貞俊、能改庵・浮瓢軒と號す、法名高林院三敍宗關居士
「眠くて茶を勧められた」珠光のエピソードが微温化している気もする。
紹鴎が新五郎でなく新四郎なのもちょっと不思議。どこから引用した情報だろうか?
信長と秀吉は将軍ではないが、譜代の井伊家としては同格扱いして良かったんだろうか?
織部に関して何の注釈も入れなくてよかったんだろうか?
ちょっと心配になる。その辺の配慮は大丈夫は大丈夫なんだろうか?
家康に師範がいないのは配慮なのかも知れない。茶人としての家康を、直弼はどう思っていたのだろうか?