閑夜茶話4 紹鴎のエピソードに見る利休

紹鴎のエピソードに出てくる利休は、落葉をわざと散らしたり、花入の耳を欠いたりする話が一般的である。

直弼の紹介するソレは、ちょっとひと味違ったので紹介。

或時小さき水翻を持出で、濃茶を點られしに、鴎の心に不審ありつらん。
濃茶の跡に薄茶を九服まで所望あり。
休は師の命にまかせて點てられしが、水翻一ぱいに滿たず。鴎その心を感じ、利休は宗匠の器量ありと許されしとなり。

利休の実力と言うより、紹鴎のパワハラの嫌さがつのるエピソード。

紹鴎は濃茶一服の後に、薄茶を九杯も飲んだのだろうか?
どう手際が良くても二時間以上は掛かるお点前だ。
点てても点てても次を要求してくる客か…。ピリピリした雰囲気の会になりそうだ。

ちょっと…いや、かなり無理のあるエピソードな気がする。

でも返って来た茶碗を濯がなきゃ別に俺にでもできるな…。